第1巻どう生きる
人生八十年時代

「四住期」の考え方はたいへんな知恵に包まれている。とりわけ第三ステージ「林住期」を考えたところが心憎い―。

戦後、日本人の寿命は急速にのび、定年後、子育て後に多くの時間が残されるようになりました。さぁ、「長い余生」をどう生きればよいだろう…山折哲雄先生は「林住期」をキーワードに生き方の提言をしてくださいます。

• 新たな人生モデルを探す
• 林住期のすすめ
• 西行、芭蕉、良寛に学ぶ
• 老いは神に近づくこと
• 「シテ」として生きる

収録時間約63分

第2巻からだと生活習慣

早朝坐禅の小一時間が終わった後飲むお茶が、とても美味しいんですよ。「甘露の味」とはまさにこのことだ―。

早朝に坐禅を組み、よくかんで食べ、散歩を楽しむ…「これまでの人生の中で今が一番体調が良い」と語る山折哲雄先生のさまざまな「作法」が伝授されます。そこには、からだだけでなく、心も喜ぶ秘訣が隠されています。

• 雑念妄想の坐禅
• 午前中の過ごし方
• 散歩の楽しみ
• 歩くこと、思索を深めること
• 美しい作法

収録時間約67分

第3巻やすらぎを求めて
〜日本人の宗教感覚

日本人はいったい、どうしてこんなに夕焼けに感動するのだろう―。

私たち日本人は、この豊かな国土の中でどのような宗教感覚をはぐくんできたのでしょうか。仏教や神道だけでは説明できない、あなたの心の中に眠るやすらぎの根源をひもときます。静かな感動を呼び起こすお話です。

• 童謡『夕焼小焼』の仏教観
• 信ずる宗教、感ずる宗教
• 先祖は自然の中に
• 日本人は「無信仰」か
• 『夕鶴』〜受け継がれる夕日信仰

収録時間約65分

第4巻古典に親しもう

単調なリズムで語られる言葉ほど、相手の心、心の奥に、届かないものはない―。

万葉の昔から親しまれてきた和歌の伝統には、現代の私たちの心とからだにうるおいをもたらす「リズム」があります。そんな古典との親しみ方、古典のもつ伝統の力を活かす方法を教えていただきます。

• 和歌のリズムは呼吸のリズム｣
• 愛は無常〜『万葉集』の相聞歌と挽歌
• 京ことばが『源氏物語』の扉を開く
• 古典をからだで理解する

収録時間約65分

第5巻「ひとり」を楽しもう

大和ことばの「ひとり」には、実に豊かな意味がこめられている。伝統的な価値観が叩きこまれている―。

わが国では戦後、西洋の「個」や「自立」という考え方を教育に取り入れました。しかし、それは必ずしもうまくいかなかったのではないか―。伝統的な大和ことばの「ひとり」を手がかりに、日本人にふさわしい「ひとり」の味わいを探ります。

• 個の自立と平等のゆがみ
• 比較と嫉妬
• 縦軸の関係の大切さ
• 西洋の「個」、大和ことばの「ひとり」
• 「ひとり」の味わい
• 「ひとり立ち」宣言

収録時間約67分

第6巻背中はあたたかいか

人間は、「背中」を通して、新しい人間関係を生みだせるかもしれない。言葉を超えた時、人間は別の世界を見る―。

あなたの背中はあたたかいですか？私たちはふだん自分の背中を見られていることを意識できません。また、人を見送る時、相談に乗る時、相手のこころを映す「背中」が見えているでしょうか。「背中」から人づきあいの“極意”が見えてきます。

• 背中を見送られる
• 茶の湯における見送りの作法
• 医者の背中、街行く人の背中
• 聞くことに徹する姿
• 釈迦の子と「多聞第一」の阿難

収録時間約68分

第7巻宮沢賢治の生命観

大災害を経験したわれわれは、宮沢賢治の生き方を自らのこととして、考えていくことが要請されているのではないか―。

「雨ニモマケズ」などが、東日本大震災を機に注目を浴びた宮沢賢治。最愛の妹の病死や自然災害を背景に生まれた賢治作品から、その生命観、人生観をひもとき、いのちとは？幸福とは？を考えます。賢治のひたむきさに感動を誘われるお話です。

• 少年時代の賢治体験
• 賢治作品に吹く風
• 妹トシの魂を追って
• 賢治と宗教
• 災害と賢治の幸福論

収録時間約67分

第8巻よりよい晩年のために

葬式はしない。お墓は作らない。遺骨は散骨する（残さない）。これは私の「三無主義」です―。

誰にでも訪れる最期の時を自然に受け入れるためには―。元気なうちにぜひとも考えておきたい「往生の作法」を、日本古来の風習や考え方、そして山折哲雄先生の実体験を通して考えます。やすらかな晩年のために、目指したい境地とは？

• 死の不安とどう向き合うか
• 日本古来の死のあり方
• 人生の三原則
• 晩年の三原則
• 自然に還る〜私の三無主義

収録時間約70分