1950年代末アメリカ。デトロイトで、一人の黒人青年が小さなレコード会社を立ち上げました。地元である自動車産業の街=モーター・タウン（Motor Town）を短くして付けられたその名称は「モータウン」。

モータウンには、ダイアナ・ロス（＆スプリームス）、スティーヴィー・ワンダー、ザ・テンプテーションズ、マーヴィン・ゲイ、そしてマイケル・ジャクソンなど、やがて世界的スターとなっていく奇蹟のような顔ぶれが集結、次々にその才能を開花させます。

恋はあせらず（スプリームス）、
プリーズ・ミスター・ポストマン（マーヴェレッツ）、
マイ・ガール（ザ・テンプテーションズ）、
マイ・シェリー・アモール （スティーヴィー・ワンダー）、
ホワッツ・ゴーイン・オン（マーヴィン・ゲイ）……
毎週のようにヒットを生み出すこのレコード会社に、ついたあだ名は「Hit Factory（ヒット曲製造工場）」。

若々しく躍動するビート、明るいメロディ、そして直接感情に訴えかけるソウルフルなヴォーカル。自動車の街デトロイトから発信されたそのサウンドは、米国内にとどまらず世界中の若者の心を捉えたのです。

▲マイケル・ジャクソン
偉大なポップ・スター、マイケル・ジャクソンも、「ダイアナ・ロスが発掘した」というプロモーション戦略によってモータウンからデビュー。75年にCBSに移籍するまでモータウンで多くのヒット曲を残した。