ラジオ史に輝く名番組「ジェットストリーム」

午前0時、ラジオから聴こえてくるジェット音、そしてオープニングテーマの「ミスター・ロンリー」。
そこに重なる、甘い声と雰囲気たっぷりの機長・城達也さんの語り――

パーソナリティを“機長”に見立て、海外旅行のロマンを誘う深夜のリラクゼーション・プログラム「ジェットストリーム」は、 1967年の放送開始から約50年、放送回数1万回を超え、現在も続く人気ラジオ番組です。

この番組で世界の街並みに想いを馳せた方も多いのではないでしょうか。
ジェットストリームはいわば、"憧れの世界"への想いを満たしてくれるかけがえのない番組です。
海外旅行が手軽になった現在でも、その魅力が色褪せることはありません。
自宅でくつろぎながら自身の旅の思い出を懐かしみ、当時の記憶に思いを馳せる――「ジェットストリーム」の聴き方も時代に合わせて変化し、魅力を深め続けているのです。

初代パーソナリティ、声の詩人・城達也

初代パーソナリティー・城 達也さんは、27年間、7387回に及ぶ放送を担当し、私たちに語り続けました。
城達也さんのナレーションは、深みのある落ち着いたダンディな声で、抑揚や感情移入のしかたなど、0時に始まる夜の番組にはこれ以上ないほどの相性の良さでした。
旅情に誘う堀内茂男さんの名スクリプト、そしてそれを読み上げる城達也さんの名ナレーションを、私たちは毎晩楽しみにしていたものです。
城達也さんは、「夜間飛行のお供をするパイロット」という番組コンセプトに入り込むため、リスナーから姿は見えないにもかかわらず、欠かさずスーツを着用して収録をされていたそうです。
また録音日には30分前にスタジオ入りし、万全の状態で録音を迎えるのが常でした。
さらに、音感が鋭くマイクロフォンにもこだわりが強かった城さんは、ずっとひとつのマイクを使い続けたとか。
こんなエピソードから、城達也さんの、妥協を許さないプロフェッショナルな一面がうかがえます。

「ジェットストリーム」を彩った名曲たち

ミスター・ロンリー

アメリカのポップ・シンガー、ボビー・ヴィントンが、ジーン・アランと共同制作した一曲で、ボビー・ウィントン自らが歌い、1964年に全米チャート第1位の大ヒットとなった曲が原曲です。
『ジェットストリーム』のオープニング・テーマは、フランク・プゥルセル・グランド・オーケストラによるバージョン。
このメロディーを聴くと、誰もが城達也さんのあのナレーションが頭に浮かんでくることでしょう。
放送開始当初の1967年から使用されており、今日では『ジェットストリーム』の代名詞となりました。

夢幻飛行

TOKYO FM(当時・FM東京)の開局15周年、そして「ジェットストリーム」放送4000回を記念して、新たに登場したエンディング・テーマ曲。
作曲はスウェーデンのピアニスト、ロバート・ヘンリー・ウェルズ。編曲指揮はスイス人指揮者のアンドレ・バウアー、ピアノ演奏はハンガリーのピアニスト、ベラ・バリントです。
城達也さんのナレーションが重なると、この番組のエンディングにふさわしい哀愁が感じられます。

恋はみずいろ

1967年にフランスのアンドレ・ポップが作曲。その後ポール・モーリアがポップス・オーケストラのために編曲し、レコードを発表したところ、翌年1968年には、全米チャート第1位に上りつめ、世界中で500万枚の大ヒットを記録。
ポールモーリアの名を世界中に知らしめました。 フレンチ・ポップスの原点とも言うべき名曲です。

80日間世界旅行

1956年のアメリカ映画「80日間世界旅行」の主題曲です。
映画はその年のアカデミー作品賞を受賞し、音楽を担当したビクター・ヤングもまたアカデミー作曲賞を受賞しました。
旅情がかき立てられる雄大なメロディーで、テレビの旅番組や、航空会社のCMにも使用されており、現在も耳にすることがある名曲です。

追憶

マービン・ハムリッシュ作曲、アラン&マリリン・バーグマンが作詞を担当しました。
1973年に公開されたアメリカ映画「追憶」の主題曲で、主役のバーブラ・ストライサンド自身が歌い、アカデミー歌曲賞を受賞しました。
甘く切ないメロディーを、スタンリー・ブラック楽団がより美しく彩ります。

歴代パーソナリティ

2代目:小野田栄一さん(在任期間:1995年1月〜2000年3月)

事務所の先輩でもあった城さんから引き継ぐ形で2代目機長に就任。「機長」ではなく、空港にあるラウンジで同席したリスナーに語りかける設定で進行された。

3代目:森田真奈美さん(在任期間:2000年4月〜2002年9月)

現時点で唯一の女性パーソナリティーとして活躍。在任中は『LOVE SOUNDS ON JET STREAM』という番組タイトルに。「機長」ではなく「フライトアテンダント」という設定でパーソナリティーを務めた。

4代目:伊武雅刀さん(在任期間:2002年10月〜2009年3月)

4代目パーソナリティーは、俳優、声優、ナレーターとして活躍する伊武雅刀さんが担当。
ラジオドラマを放送するなど独自の「ジェット・ストリーム」を放送したが、その後初代・城さんのスタイルを踏襲し、好評を博した。

5代目:大沢たかおさん(在任期間:2009年4月〜2020年3月)

自身初のラジオレギュラー番組にして、5代目機長に抜擢。初代機長・城さんに次ぐ在任期間で、11年間パーソナリティーを担当。

6代目:福山雅治さん(在任期間:2020年3月〜現在)

シンガーソングライター・俳優をはじめ幅広く活躍する福山雅治さんが現・パーソナリティーを担当。
毎週月〜金曜日24:00からTOKYO FMにて放送中。

「ジェットストリーム」が内蔵された高機能オーディオ『ジェットストリームオーディオ』

「ジェットストリーム」の美しい世界をとことん楽しめるよう開発された『ジェットストリームオーディオ』には、初代パーソナリティー・城達也氏のナレーション12篇と一流アーティストによる珠玉の名曲100曲を集大成し、本体にあらかじめ内蔵。
ボタン一つで思い出が甦り、思わず涙がこみ上げます。もちろんお好きなCDもお楽しみいただけます。
製造は、信頼と実績のアイワ社。360度スピーカーを内部に設置し、小型サイズでありながら部屋いっぱいに響く音に包まれる"本格派オーディオ"です。
ジェットエンジンをイメージした美しいデザインで「夜間飛行」のお供にピッタリ。放送当時の雰囲気を味わい、懐かしい日々に思いを馳せる贅沢な時間を、あなたにお届けします。

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