パズルで空間認識力を鍛えましょう。

立体パズルを解くことは、脳の中でも特に「空間認識力」の活性化が期待できます。空間認識力とは、いわば、縦・横・斜めの感覚。この感覚が衰えると、服を上手に着られなくなったり、自分の現在地が分からなくなるなど、認知症特有の症状が出やすくなります。
パズルを解く時には、形や大きさの違うピースを上下、左右に動かしたり、回転、反転させたりして考えていくのですが、その瞬間にとても脳を使うのです。他にも、「思考・判断力」「注意・集中力」など、さまざまな脳の機能を使うので、脳全体の活性化につながります。

熊本県の「認知症予防モデル事業」でパズルが取り入れられています。

熊本県の認知症予防プログラムにパズルを取り入れたところ、多くの方から反響がありました。開始から半年後には、認知機能の評価テストの成績が向上した方が多く、脳トレとしてパズルが有用であるといえます。

パズルが上手くいった時は出来た自分を褒めてください。

パズルに取り組む中で、難しいと感じた時や疲れた時には無理をせず、時間を置いて気が向いた時にやりましょう。「楽しみながら」が一番です。そして上手くいった時には出来た自分を褒めてください。また、木製パズルは全部で10種類あります。同じものをやり続けるのではなく、違うものにも取り組んで新しい脳活性にチャレンジしてほしいです。一度解けたものでも時間が経つと解き方を忘れることもあるので、何度も繰り返し楽しんでいただきたいですね。

パズルを解く時には複雑に指を動かします。指というのは脳を使用する割り当て領域がすごく広いんです。つまり、パズルをやる時は広い領域の脳が動員されていると考えていいですね。脳への刺激になりますので、積極的に取り組んでいただきたいです。
また立体的なパズルを理解するには、「空間認識」をつかさどる「頭頂葉(とうちょうよう)」と呼ばれる部分を使います。ここは比較的早い時期から認知機能低下への影響が出てくる部分なんですね。空間的な構図(道の方向など)の認識に関係しているところです。立体パズルはこの部分の力の低下を予防することに役立ちます。パズルに挑戦して頭頂葉を活性化することは、認知機能低下の予防の一環になり得ると考えられますね。

• 白澤先生が考える立体パズルの特長
• 指を複雑に動かすことが脳刺激につながる
• 立体的なものを理解することで頭頂葉が活性化する
• 空間認識力が活性化される効果が期待できる