映像史上に残るプロジェクトの始まり

“奇跡の映像”の記録は、アルベール・カーンが1908年に『地球映像資料館』を設立したことによって始まります。雇われたカメラマンたちは、世界各地に派遣され、失われゆく少数民族の文化・生活などを次々と記録しました。

【第1巻の収録内容　収録時間約49分】

• ●アルベール・カーンとは？
• ●世界初のカラーフィルム「オートクローム」
• ●初期のカラー映像（元フランス駐在大使・本野一郎の孫・本野盛幸）
• ●地球映像資料館の立ち上げ
• ●ライト兄弟と飛行機
• ●第一次大戦前のアイルランド（伝統的ケルト社会の最後の姿）
• ●第一次大戦前のロンドン（ウェストミンスター宮殿／ビクトリア女王の記念碑／王立裁判所）　他

明治末期、その時世界は…？

1908年、アルベール・カーンはアメリカ大陸へ渡ります。その後も、明治末期の日本や、最後の皇帝・溥儀が即位したばかりの清、中華民国の成立、さらにインド、モンゴル、モロッコの姿など、地図が塗り替わる前の世界中の貴重な写真・映像が、大量に撮影されました。

【第2巻の収録内容　収録時間約49分】

• ●ニューヨーク
• ●サンフランシスコ
• ●シンガポール
• ●スリランカ
• ●アルゼンチン
• ●ブラジル
• ●明治末期の日本（東京／大隈重信 他）
• ●清朝末期の中国（北京城の城壁 他）
• ●中華民国成立
• ●モンゴル（モンゴル相撲「ブフ」／ラマ僧 他）
• ●インド（ガンジス川の沐浴／ヒンドゥー教の修行者「サドゥ」 他）
• ●ペシャワル・アフリディ族の子供たち　他

大戦前夜のヨーロッパ

ナショナリズムの動きが高まるヨーロッパの様子もカメラに収められました。フランスや北欧、イタリア、さらにはオスマン帝国崩壊寸前のバルカン半島まで…それはまさに大戦前夜の貴重な姿。その後、平和と安定は、戦争という巨大な渦に巻き込まれていきます。

【第3巻の収録内容　収録時間約49分】

• ●パリの凱旋門
• ●大戦前夜のフランス各地
• ●ノルウェー（リューカンの水力発電所／独特の教会建築 他）
• ●スウェーデン（ダーラナ地方の田園風景 他）
• ●地球映像資料館プロジェクトの拡大
• ●イタリア（フィレンツェ／ヴェネツィア 他）
• ●オスマントルコ帝国（バルカン半島の政治情勢／同盟諸国の宣戦布告 他）
• ●マケドニア（国際都市サロニカ／クレタ島の兵士／マケドニアの分断）　他

第一次世界大戦の記録

アルベール・カーンは第一次世界大戦の戦場へカメラマンを送り込みました。4年間に及ぶ塹壕戦の舞台となった最前線・西部戦線の様子や、大爆撃を受けた街の焼け跡、当時の最新兵器や軍用機など、カラーの記録が鮮烈な印象を与えます。

【第4巻の収録内容　収録時間約49分】

• ●ドイツの宣戦布告
• ●マルヌの会戦
• ●西部戦線
• ●近代的な兵器
• ●ロアールの陸軍病院
• ●兵士の日常
• ●戦場の母
• ●ヴェルダンの戦い
• ●アフリカ・ズワブ兵の陸軍連隊
• ●シャルル・マンジャン将軍率いる黒人部隊
• ●ソンムの戦い
• ●初の軍用機
• ●防衛線ヒンデンブルグ線
• ●兵士のストライキ
• ●アメリカ参戦
• ●ミヒャエル作戦
• ●休戦協定
• ●第一次世界大戦の終結　他

大戦による激変と破壊

第一次大戦下の市民生活を記録した写真や映像をご紹介します。アルベール・カーンの派遣したカメラマンたちは、ドイツとの戦争で壊滅状態になってしまったフランスの都市や人々の暮らし、困窮にあえぐ生活を2,000枚以上のカラー写真で記録しました。

【第5巻の収録内容　収録時間約49分】

• ●ドイツ軍のフランス侵略
• ●パリを彷徨う難民たち
• ●「死骸のような町」
• ●ジェルベヴィエ陥落
• ●修道女ジュリー
• ●戦時下の農村の暮らし
• ●兵士たちと家族の絆
• ●ドイツ占領下のフランス北部
• ●戦時下のランス・ノートルダム大聖堂
• ●瓦礫の中で生きる子供たち
• ●フランス全土の物価暴騰
• ●最前線の町ソワソン
• ●最前線で戦う看護師たち
• ●パリの軍需工場
• ●労働者のストライキ
• ●勝利に沸くパリ市民　他

復興へ向かうヨーロッパ

勝者フランス・イギリスと、敗者ドイツを中心に、大戦後のヨーロッパの様子を描きます。終戦の安堵と勝利の喜びに沸くパリとロンドン。一方、敗戦国となったドイツは、連合軍に支払う多額の賠償金に苦しみ、国内情勢も混乱の一途を辿っていました。

【第6巻の収録内容　収録時間約49分】

• ●パリの戦利品通り
• ●墓地と化した西部戦線
• ●最前線破壊のあと
• ●ヴェルサイユ条約調印
• ●国際連盟設立
• ●アメリカ・ウィルソン大統領
• ●アルザスの国土復帰
• ●勝利に沸くイギリス（ロンドンの戦勝パレード／戦没者記念碑「名誉ある戦没者へ」 他）
• ●ドゥオモンの納骨堂
• ●ヨーロッパ各地の移民労働者
• ●連合軍占領下のドイツ
• ●ロカルノ条約調印
• ●パリのナイトライフ復活
• ●科学技術の革新　他

中東を永遠に変えてしまった瞬間

オスマン帝国の崩壊後、歴史の岐路に立つ中東の記録。特に、ユダヤ人国家建設に賛同する書簡を書いた英国外相バルフォアがエルサレムを訪れ、熱狂的歓迎を受ける様子をとらえた映像は、まさに歴史的瞬間をとらえたものと言えます。

【第7巻の収録内容　収録時間約49分】

• ●第一次世界大戦後のエルサレム
• ●オスマン帝国時代のイスタンブール
• ●オスマン帝国の崩壊
• ●イスラム教徒とキリスト教徒
• ●レバノンの首都・ベイルート
• ●娼婦と兵士
• ●大レバノンの宣言
• ●オスマン帝国末期のパレスチナ
• ●バルフォア宣言
• ●シオニストの建国運動
• ●バルフォアのエルサレム訪問
• ●大戦後のトルコ動乱の時代
• ●イスラム教指導者・カリフの就任式　他

私たちの知らない100年前のアジア

アルベール・カーンはアジア各地にカメラマンを派遣しました。フランス占領下のベトナムやカンボジア、イギリス軍の支配を受けるインド、そして急速に近代化が進む日本…。そこには私たちの知らないアジアの姿が数多く記録されています。

【第8巻の収録内容　収録時間約49分】

• ●ベトナム（人間チェス／世界一・ドゥメール橋 他）
• ●カンボジア（アンコール・ワット／バイヨン寺院／王立舞踏団 他）
• ●カーンの日本皇室との交流
• ●大正末期の日本（軍事産業化する日本／モガ・モダンガール／大正天皇の崩御／農村地方の暮らし 他）
• ●イギリス植民地時代のインド（マハラジャ／ジャガジット・シン在位50周年記念祭／ガンディー率いる反植民地運動／パキスタン誕生）　他

21世紀に託されたメッセージ

1922年、カメラマンはフランスから北大西洋を横断し、カナダのニューファンドランド島へ。また、アフリカの奥地へも到達し、先住民族ソンバ族の信仰儀式などの撮影に成功。しかし、1929年の世界恐慌を境に、アルベール・カーンの境遇は一変し…

【第9巻の収録内容　収録時間約49分】

• ●イギリス植民地下のカナダ
• ●北アフリカ植民地（チュニジア／アルジェリア）
• ●近代化の進むモロッコ
• ●先住民族ベルベル人
• ●パリを映したカラー映像（カーンの庭園／パリの街並み／セーヌ川沿岸／車の走るオペラ座 他）
• ●西アフリカ・ベナン共和国（ブードゥ教の儀式／ソンバ族・生贄の儀式 他）
• ●パリ国際植民地博覧会
• ●世界金融恐慌
• ●アルベール・カーンの破産と死　他

明治末期〜昭和初期の日本

アルベール・カーンが親密な関係を持った日本。当時の貴重なカラー写真や映像を紹介していきます。庶民の日常から、大正天皇の崩御、昭和天皇のヨーロッパ訪問といった歴史的瞬間、また能・歌舞伎などの伝統文化も収録。

【第10巻の収録内容　収録時間約49分】

• ●皇室の記録（大正天皇の葬儀／昭和天皇のヨーロッパ訪問／皇族の生活 他）
• ●政治家との交流（高橋是清／大隈重信／渋沢栄一／本野一郎 他）
• ●日本の舞台芸術（能役者／歌舞伎文化／京都の舞妓たち 他）
• ●近代化する東京（浅草／錦糸町付近／青山／日本橋／東京駅 他）
• ●全国の神社（浅草寺／厳島神社／八坂神社 他）
• ●富士山
• ●桜島
• ●錦帯橋　他